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〜北鎌倉 天使のパン・ケーキGateau d'ange誕生のきっかけ〜


「喜ぶ顔が見たいから、僕は作っているんです」



そういって食べる人の顔を思い浮かべながら、
家庭用オーブンで3時間にひとつだけ心を込めて手づくりしています。

高次脳機能障害、脳脊髄液減少症、左脚麻痺を抱えながらのパン・ケーキ作りは
「食べた人にしあわせになって欲しい」
という多以良泉己の強い思いが込められています。

 

北鎌倉山頂に家を建て、泉己くん30歳の誕生日に結婚しました。
それから、わずか5ヶ月後の2005年8月27日。大宮競輪レース二日目。

ゴール目前で他選手の落車に巻き込まれ
おでこからバンクに激しく叩き付けられて、脳、頸髄を損傷しました。



生死の境目をさまよい、「一生寝たきりかも知れません」
そう医師に宣告され、首から下の感覚がない全身麻痺となりました。

積み木や「1+2=3」などの計算もなかなか出来ず、失語もありました。
まるで赤ちゃんに戻ってしまったような状態でした。

競輪場からの連絡を受けて、私が救急病院に駆けつけた時には
意識は無く、顔面蒼白の状態。その日から付き添い看護が始まりました。

横に簡易ベットを置いて、体をさすったり、常に言葉をかけて
一緒にいろんなリハビリをしました。

 

病室にたくさん植物を飾って、アロマを焚き、ハーブティやハチミツ
病院近くにあったパン屋さんの無添加パンを食べてもらいました。
イルカの超音波ヒーリング音楽をかけたり、思いつくことを全て試しました。

  

その当時、私は半年間、愛地球博「地球市民村」司会をしていました。
泉己くんの手のひらに、ペルーパビリオンで買った手編みのボールを乗せて
上から私が手を握り、にぎにぎの練習をしていた時のことです。

ぴくっと反応があり、指がかすかに動きました。
「あ!動いた」にぎにぎを繰り返しました。
すると、ぴくっ、ぴくっと動きました。足にも反応が起きました。
それから間もなく、首が据わって、車イスにも乗れるようになりました。


 

それからは歩行器を使ったり、つかまり立ちの練習、歩行訓練を始めました。
万博の閉幕ステージを終えて、病室に戻った日の夜
「ねえ、そこでみてて!」

そういって、一歩、二歩…壁から手を離して、泉己くんは歩きました。
その姿に、思わず「すごいね!」と涙が出ました。

私が枕元に置いていった白紙のスケッチブックには
仲良く笑うモリゾーとキッコロの絵が描かれていました。
私を喜ばせようと、うまく鉛筆が握れない手で一生懸命にかいたものでした。

 

病室で、私たちが目標にしたことは、家の写真を壁に貼って
「絶対に歩いて家に帰るんだ」
と強くイメージすることでした。

そして奇跡が起きました。
杖をつきながら家に帰ることが出来たのです。
久しぶりに家に戻ると「おかえりなさい」
と私たちの帰りを待っていてくれたような気がしました。

  

家の中で出来る事は何だろう…?
「パン作りはリハビリになる」
そう思って、ふたりでパン・ケーキ作りを始めました。
リハビリで楽しそうに粘土をこねていたことがヒントになりました。
出会ってすぐ、泉己くんが初めて私にプレゼントしてくれたのが
手作りのチーズケーキでした。ふと、そのことが浮かんできました。

 

体に負担がかからないように泉己くんのサイズに合わせて図面を引きました。
土台だけ大工さんに作ってもらって、それから一週間かけて
自分でタイルやペンキを塗り、大理石ビアンコカラーラを乗せて
手作りのアイランドキッチンを完成させました。



はじめは私のために作ってくれていたパンとケーキ。
あまりにおいしいので、友人たちに振る舞っていたら

「家族にも食べさせてあげたい」「入院中の友人のプレゼントに」
「一切れ分けてもらって食べたら涙があふれて止まらなくて」

1つのパンやケーキから輪が広がってゆきました。

いつしか「天使のパン」 「天使のケーキ」と呼ばれるようになりました。
パンやケーキを贈る時には、私の手紙も添えています。


「まるで天使からの贈り物のよう」
「やさしい味がする。癒されました…。」


パンやケーキを食べて、涙を流す人や辛かった話を打ち明けてくれる人が数多くいました。
お手紙やメールをもらい、「お礼が言いたくて」と会いに来てくれる人もいました。



病室のベットで寝ていた時、手のひらから「気」が出るようになりました。

足の感覚が無くて、しびれている状態で足を引きずっているけれど
頭がびりびり痛んで、吐き気がしたり、ふらついて長く立っていられないけれど
パンとケーキを作っている時は夢中で痛みを忘れることが出来ます。

「僕は食べた人にしあわせになってもらいたいです」

北鎌倉 天使のパン・ケーキGateau dangeは
多以良泉己があなたのためだけに焼くパン・ケーキです。
心を込めて焼いたやさしい手作りのパン・ケーキをぜひ食べてみてください。